ホーム サイトマップ

素晴らしい日本人に聞くシリーズ

1234567891011

第四章 日本人の感性をグローバル社会で活かす
三種の神器の意味とは

田尻惠保様: 代表例として皇室の三種の神器である鏡と剣と勾玉は、何を伝えようとしているのか?

あれは象徴として伝えられ言語として表現されてはいません。ですから色々な解釈はされていますが、解明されていないのです。

しかし、象徴として残しているからこそ変質しない、と言えるのです。どんなに時代が変わっても変質しないという、究極の伝達法です。

言葉というものはどんどん変わっていってしまいます。今、もしキリストが生きていたら、キリスト教徒の姿を見て、自分の教えではないとびっくりすることでしょう

藤原: 言葉は、伝達ゲームといわれるくらい、人を介すれば介するほど色々な解釈が生まれますし、ずれていく可能性も高いです。

言葉にしない究極の伝達手段が、三種の神器、素晴らしいですね。それが世界最古の皇室の伝統であることにも繋がっているのですね。

田尻惠保様: 言葉として伝えていくと変容していくのです。だからこそ、象徴として残されていることのすごさ、奥深さみたいなものを感じます。

現在の西洋的物質科学的な思考からは計り知れないような、深い叡智をたたえているものなのでしょう。

多面的な解釈というかいろんなものが、この自然の中に入って、多様性と個性を残しながら同化していく、日本人はとてつもない許容のスケール、すごく大きな器を持っていると思います。

先ほどの毛利さんのお話のように世界の知識人で「日本にしかないだろう」といったことを言う人はたいへん多いのです。

日本の価値感やモノの見方、これが世界を救う、と。ある意味、世界の人々から待ち望まれている、と思うのです。

藤原: そのとおりですね。アインシュタインも「われわれに日本という尊い国をつくっておいてくれたことを神に感謝する」と語ったそうですね。

田尻惠保様: 日本人の精神性は、与えられた自然と一体になっている。心のあり方と風土のあり方が一体なのです。

この素晴らしい自然と、素晴らしい心映えを宣揚してゆきたいですね。

落語の人情話として、そういったものが残されています。美談は「心の自然遺産」なのです。

自然の神秘的な美しさばかりでなく、心映えの美しさは歴史の中にも現代にもあります。こういうものを伝え残していくことが重要です。


1234567891011

ページトップへ