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素晴らしい日本人に聞くシリーズ

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第三章
欠損もその人らしさ

高尾院長:私は施術させていただいている時にいつも感動します。

「ああ、この体はこういう理由で、こういう風に守って、こういう様にしてきたのだ」と、「だけど、もういいから、こうしてみて。これがあなたの正体です」と。

正体になると、どんどんその人らしさが、その人本来の形が、自然な感じで出てくるわけです。

藤原:そうだったのですね。

まさか過去の事故とか衝撃を体が覚えていて、自分の身体を守ろうとしているのが逆に歪みになったり、問題を起こしたりしている、とは思わないですね。

高尾院長:人が見れば、それは欠損だとかマイナスになることなのでしょうが、私にしてみれば魅力というか、その人らしさになるのです。

例えば、前髪を真ん中で分けると巫女さんの形になりますね。このシンメトリーというのは、厳粛とか威厳、正当性を表します。

反対に、私は髪型を斜めに分けて、アンシンメトリーにしています。アンシンメトリーは不安定ですよね。そして、同時にモダンなのです。この不安定感は若い時には色気にもなります。

人間の体全体も同じことが言えると思います。若い時の歪みは不安定であってもそこが魅力的であったり、色気に通じたりします。

しかし、そのまま歪んで50歳、60歳になるとそれは魅力や色気ではなく、ただの「歪体(わいたい)」でしかない、と思うのです。

体の構造は、基本的にシンメトリーになっているのですが、心臓が左側にあるため血管やリンパの流れがそうでなかったり、肝臓は右にしかないというような独特なアンシンメトリーがありますね。

ある年齢になってから正体(せいたい)にすると、体の機能が蘇ります。これは最後に気持ち良く亡くなるための条件であり、命を燃やし尽くすために必要なことだと私は感じます。

つまり途中から正体(せいたい)に持って行った方が『良く生きられる』イコール『良く死ねる』のです。

4、50代のライフステージの境目にある方は、歪体(わいたい)にもう耐えられなくなって正体(せいたい)を求めているから、体が求めている方向に応じてやればいいのです。

藤原:首の後ろを触って、「この方の体が何を求めているのか? 体の声を聞いているのです」と高尾先生が以前おっしゃっていたので、どんな声を聞いているのかなと思っていたのですが……。

高尾院長:初めて拝見した方でも大体その方の体が訴えていることを感じてしまいますね。

正体(せいたい)へ持って行くと、大体10歳くらい若く見えるようになります。「気」が宿りますから。

ですから、私のところには選挙ポスターの撮影を予定している政治家の方、結婚式に出席する新郎新婦のご両親、同窓会に出る方などが前もっていらしたりします。

藤原:私の体も神様からいただいた本体とはずれていたりするのでしょうが、それが整ったらきっと何倍もの力を出せるのですね。


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