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素晴らしい日本人に聞くシリーズ

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第三章 ②
体の真実を求め続けて

藤原:自分の体のことは分かっているつもりでしたが、高尾先生の教えに触れて、人の体とはこんなにも精密であり、神様が精巧に作ってくださっているのだと感じるようになりました。

ですから、いただいた体をもっと大事にして命を使わなければいけない、と思うようになったのです。

高尾院長:ありがとうございます。藤原先生ならではのコメントですね。

私は忙しくて旅行には行けませんが、毎日毎日、クライアントの体を旅している感じです。それも時空を超え歴史を辿るような……、深い深い旅です。私は、辿ってその方の真実を求めているのです。

現在、多くのお医者様や施術家の方々が様々なメディアで健康法を説いていらっしゃいます。それは素晴らしいことですし、それらの情報が多くの方のお役に立っていることでしょう。

しかし、私はこう考えるのです。人の体に同じものは無い。人それぞれ一つ一つの宇宙が、空間が、成り立ちが、歴史が、受け継いでいるものが違う。

まったく違うからこそ、ひとりひとりが大切で、そのひとりひとりに十分に向き合いたいと。

ですから私は、「マス(多数)」に発信するのは自分の行く道ではないと思っています。自分がその方を理解し、共感できる人数の範囲でしか自分らしい活動ができないように思うのです。

今はご縁があった方々150人くらいの施術や動きの指導をさせていただいていますが、150人が限界です。

私のことを理解して求めている方、その方の生きる道が私を必要としている方、そういう方々とお付き合いさせていただいております。

この形で活動させていただけて、とても有難いと感謝しております。

私は、14歳の時に半分死んでいますから、すでに自分のために生きているわけではないのです。自分が与えられた能力や積み重ねを請われるままに出しているだけです。

私は不調な人に向き合うと、「この方はこれが原因でこうなっている」と直感するのですが、以前は、それはただの「カン」であるとしか思えませんでした。

そういうことを繰り返していくうちに、みなさんが良くなっていくので「これは確実なものかもしれない」と自分自身の直感というか能力を信じるようになりました。

それを前面に押し出していったのが今のメソッドです。勉強と経験で身につけた医学知識だけでなく、やはり弟のことがあったから、15~16歳の時の経験によって得た『タカオ セルフケア メソッド』なのだと思います。

私はその方の真実を求め続けています。その真実を共有できた時、心身が快方に向かうからです。そのために、54歳の時から私は国家免許取得のために柔道整復師夜間学校に3年間通いました。

国家免許取得レベルの医学的な基礎を学び、それまで経験や独学で身につけたものが活かされ、自分の質が高まったと思います。

それは全て、私を信じてくれる方々に、より正しく適切な施述やメソッドをお伝えしたかったからです。

私のところへいらした方には宝物を持って帰ってもらいたいのです。私ならではの宝物をお渡ししなければいけない。そういう役目があるから生かしてもらっている、と思っています。

藤原:人それぞれに歴史があり、使命であったり、いろいろなものを持っていて、それらを生かすために命を燃やすのですね。

高尾院長:例えば、アスリートは足関節の正しい位置を知ることでパフォーマンスが上がり、より自分を表現できるわけです。

腕の関節の位置を正確に知ったバレリーナは綺麗に踊れるようになりますし、正しい股関節位置を理解した演奏家は演奏の幅や表現力が豊かになります。

この様に正しいボディマップを身につけると、正しく体を使えますから、本来自分に備わっている能力を表現できる様になるのです。

また、運動器としての改善ばかりではなく、内的な改善もしますね。これが私がクライアントや生徒に伝える『宝物』ですね。

私は、そのためにアレクサンダー・テクニック等、さまざまな勉強をし、答えを追い求めてきました。

そして今は、私の読み解き伝えるものがかなり精度が高まっていると思っています。

藤原:私が対談をお願いしたのは、高尾先生のこのメソッドを、ぜひ次の世代へ繋いで頂きたいと思ったからなのです。

命と向き合うということは、一律のマニュアルにはできませんし、一子相伝でしても、相手がくみ取れない限り伝わっていかない。それは神道もそうです。

ですからこの対談では、それを感じ取れる人が一人でも二人でも出てきてほしいと願っています。


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